瘴気によって大気は汚染され、
生命は世界から淘汰されようとしていた。
まだ人が辛うじて外界で生きることができた時代――
六人の賢者は、地中深くに格納したマザーコンピュータ、通称〈ホーム〉を中心に、
瘴気の浄化機能を備えた六つの遮蔽都市を築き上げた。
やがて都市間を繋いでいた地下通路は封鎖され、 発展と衰退を繰り返すうちに、
各都市はそれぞれ異なる性質へと変化していく。
各都市には、人の姿を模した唯一の制御端末が設置されていた。
それらは〈ホーム〉に接続し、都市内のあらゆる機能を管理・操作する心臓――
人々は彼らを、こう呼んだ。
『マザー』と。
